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ズルズルズルっ。
蕎麦を食うときは、音を立ててズルズルとすするのが作法である。
それに、蕎麦をすすって食べるのには、もともと科学的な根拠がある。
ズーと息を吸い込みながら麺をすすると、つゆは霧状に散らされ、麺はほぐされて口にのかに入ってくる。蕎麦とつゆの味や風味は、息と共に口中に広がり、食感も良くなる。つまり、すすって食べてこそ、蕎麦の本当の美味さが味わえるし、それが作法なのである。
女性などが、恥ずかしがってズルズルすすらずに、モグモグ食べている場面を、しばしば目撃するが、そっちの方が無作法で恥ずかしい行為だと、気付いて欲しい。蕎麦をすすらずに食べることは、みかんを皮を剥かずに食べることに等しい。ゆで卵を殻ごと食べるのに等しい。どうか、堂々と音を立ててズルズルすすってください。
このすすると言う食べ方。実は日本独特の文化である。
日本以外の国では、すすって食べると言うことはしない。音を立てて食べることが無作法として嫌われているからだ。特にズズズと、すする音をたてることが最も下品だとされている。ズルズルと音を立てただけで、マジに激怒する人もいるんで、海外で麺類を食べる時はご注意を。
しかし、すすることをしない外国人。いざ日本人と同じようにすすって蕎麦を食べようとすると、食べられない。ゲホゲホっとむせてしまう。
我々日本人は子供の頃からズルズル食べているので、ズルズルするのは全然何でもない普通のことだが、今までズルズルしたことがない外国人にとっては、複雑な技術が必要な、ものすごく難しいテクニックなのである。
ズルズル、ゲホゲホ。
ズル・・・。グエホッ。グエホッ。
蕎麦屋でむせながら必死ですすっている人がいたら、そいつは外国人だ。気をつけろ。
素材の味や風味を味わうために、様々な調理法だけでなく、食べ方までもバリエーションを設けている日本の食文化。つくづく素晴らしいと思う。日本の食文化は世界に誇れる高度なものだ。私たちはもっと自信を持ってイイと思う。
あと、日本だけのものではないが、箸。
何と言ってもこれがやはり素晴らしい。フォークとナイフに比べて、圧倒的に自由度が高く、作業性能が優れている。繊細で器用である。馬鹿みたいにグーで握り締めたフォークとナイフで出来ることなんぞ、箸の足元にも及ばない。
特に、フォークでサラダを食べる時、コーンの粒が食べられなくてイライラする。箸なら、コーンの粒なんて、パシッとつまめます。
ハエが飛んできても、パシッとつまめます。
って、そんな伝説話ありましたなぁ。宮本武蔵でしたっけ。
で、その後、ハエを捕まえたその箸で、そのまま食事を続けたんでしょうかね。ま、そんなことはどうでもいいんですけどね。
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