近所のスーパーの店内アナウンスで、こんなことを喋っていた。
「当店では、お買い物袋オジサンキャンペーンを実施しています。」
買い物袋オジサンって何だ。オレのことか。
オレに、買い物袋オジサンになれってことか。
そのためには、ビニールの買い物袋を頭にかぶったりすればイイのだろうか。それとも、買い物袋の下の部分を切って、タンクトップみたいにして着ればいいのか。上がタンクトップなら、下は短パンの方がいいよな。
でも、乳首透けるけど。
イイの?
などと悶々と悩んでいたら、程なく「お買い物袋ご持参キャンペーン」を聞き違えていたのだと気付いた。お買い物袋を持参し、レジ袋をご遠慮いただいたお客様に、サービスしまっせ、と言う内容のものだった。
なーんだ。
やる気マンマンだったのだが。
半透明のビニールのお買い物袋を着て、白い短パンで颯爽と登場の予定だったのだが。
残念。
でも、資源の節約は大切な事だ。
地球の未来のため、子供たちの未来のために、少しでも資源を節約しようという取り組み。小さな事でも、一人一人が取り組んだら、大きなムーブメントになる。
お買い物袋ご持参キャンペーン、大賛成だ。
普段の生活を見つめなおしてみると、我々の生活は本当に無駄が多い。
スーパーでの買い物を見てみても、一週間分の食料を買って、買った物を家で整理するだけで、大量のゴミが出る。野菜、魚、肉などの生鮮食料品は、ほとんど全て発泡スチロールのトレイにのせられ、水分吸収のスポンジが同梱され、ラップで包まれている。工場生産の食料品、例えばお菓子など、箱の表面を透明のフィルムで覆ってあり、箱の中のお菓子も、単体ごとに袋詰されている。
今や、衛生管理や流通コストの効率化のために、梱包や包装は必要不可欠。我々は大量にゴミを出さなければ生きていけない社会に暮らしている。
買い物のレジ袋を辞退して節約できるゴミは、我々が排出するゴミの総量からすれば、ほんの微々たるものかも知れない。砂漠に水を撒くようなものだ。
それでも、やらないよりはやった方が絶対にイイ。
と言うわけで、今日からオレもお買い物袋ご持参組っすから。
おっしゃれなトートバックを肩から下げて、
ビニールの買い物袋をタンクトップ風に着て、
白い短パン履いて、
颯爽と歩く男性がいたら、オレだから。
シャリシャリ、シャリシャリ、ビニールのこすれる音がしたら、オレだから。
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