潔癖症パート2。
2004/06/29

 
 除菌の話の続きです。
 我々現代人が直面した、除菌の弊害、新たな病気の脅威について話そう。

 病原性大腸菌、O-157。

 オゥ、イチゴウナナァ。と外人風に言ってみる。

 O-157を知らない人はいないだろう。数年前からO-157による集団感染が頻発するようになって社会問題となった。

 感染すると、運が悪いと死ぬから、集団感染が出始めた当初は、日本を揺るがす大問題になった。日本中が大騒ぎ。感染源としてカイワレ大根がうわさされ、カイワレパニックになったことを記憶している人も多いだろう。

 以来、毎年どこかしこで感染者がでている。そしていつの間にか、「あっそー。また出たのふーん。」と、もう誰も関心を払わなくなった。どこにでもあるフツーの病気として、社会に定着してしまった。

 この、O-157という大腸菌。
 突然発生した新しい種類の細菌だと思っている人が多いだろう。しかしそれはハズレ。間違っている。O-157は、古くから自然界に存在している大腸菌の一つに過ぎないのだ。

 じゃあ、何故最近になって集団感染するようになったの?
 昔からいる細菌なら、昔からO-157による感染症が発生していてもおかしくないじゃん。

 この謎を解く鍵が、除菌です。

 人間にとって猛威を振るうO-157。実は細菌の世界では、弱者なんです。相撲で言えば序の口。ヤンキーでいえばパシリ。チンピラのマサ。すっげー肩身が狭い存在なんす。

 オメェ、邪魔だっつってんだろー。どけよボケっ。
 スミマセンっ。スミマセンっ。

 何か、面白いこと言ってみろよ。面白くなかったら、ぶっ殺すぞっ。
 スミマセンっ。スミマセンっ。

 O-157ごときが、でかい顔すんなよ。
 スミマセンっ。スミマセンっ。

 と、まぁこんな感じ。
 ウジャーっとした細菌の世界において、O-157は表に出てこないで、隅っこの影の方で小さく身を縮めて生きている。ちょっとでも表に出てきたりしたら、他の細菌たちにコテンパンにやっつけられちゃって、繁殖できない存在なのだ。

 それを人間が中途半端に除菌だ殺菌だのするものだから、細菌の世界のバランスが崩れちゃって、力関係が滅茶苦茶になっちゃって、押さえのいなくなったO-157が、ひゃーっと調子に乗って、繁殖するようになっちゃったのだ。アニキの留守中に調子に乗りまくる、チンピラのマサだ。

 あと、日本人の抵抗力、免疫力が弱くなっているってのも、O-157がはびこる原因となっている。キレイキレイと言って常在菌を、殺菌、除菌をしてしまったために、菌に対する免疫力が下がっているのだ。

 不潔がイイって言うわけじゃないが、除菌や殺菌に必要以上に神経を使うことも逆効果だということだ。
 

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