潔癖症。
2004/06/22

 
 
近頃、抗菌グッズがブームですな。
 身近にある、ありとあらゆる日用品が抗菌加工されている。抗菌歯ブラシ、抗菌ボールペン、抗菌Tシャツ、抗菌家具、etc。

 キレイ好きと言うよりは、清潔シンドロームな人たちが増えてきていると言う事だ。電車の吊り輪を素手でつかめない奴なんてザラにいるし、除菌スプレーを持ち歩いて、触れるものすべて除菌しないと触れない神経過敏なヒステリックな輩もいる。

 うんこして、手を洗わずに、そう言う奴のほっぺたとか体とか触ったらどうなるんでしょうね。

 「ゆうじさん、さむーい。ななこの手、温めてっ。」
 「ゆうじさんの手って、暖かいのね。」
 「あ、いっけなーい。ななこ、さっきうんこした時に、手を洗うの忘れてたぁ。」

 ぎゃぁぁぁぁぁぁ。

 「ゆうじさん、かわいい犬でしょ。ちゃっぴーって呼んでね。」
 ぺろぺろぺろ。
 「ちゃっぴーも、ゆうじさんのこと気に入ったみたい。」
 「ちゃっぴーったら、キレイ好きなのよ。ゆうじさんと一緒。だから気に入ったのかも。」
 「この子、うんこしたら、ちゃーんとお尻の穴を舐めてキレイにするのよ。」

 ぎゃぁぁぁぁぁぁ。

 さて、細菌についてちょっとマジメに話そう。
 ご存知の方も多いと思うが、人の皮膚1平方センチ辺り、数万から数十万もの細菌がいると言われている。もうウジャーって感じ。全身びっしり細菌で覆われている。皮膚だけでなく、体内にも夥しい細菌が常在している。人間は、細菌の塊みたいなものだ。

 人が触るものはすべて、この、ウジャーって細菌がくっついているわけだから、除菌したくなる気持ちも分かる。潔癖症の人にとっては、握手を求めてくる人間が、殺し屋も同然の脅威。

 ぎゃぁぁぁぁぁぁ。

 この際、ハッキリ言っておかなければならないと思うのだが、除菌は意味ないから止めなさい。細菌に覆われている状態が、普通で健康なんです。

 例えるならそれは、
 緑生い茂る森。
 鳥や動物や草花たちが命の歌を歌う大地。
 命を育む豊かな海。

 体を覆う細菌たち、無害どころか実は我々人間にとって大変重要な役割を果たしている。体の皮膚を健康でみずみずしく保つために、細菌の存在は欠かせない。外部からの異物や、病原性の細菌やウィルスなどをブロックするバリヤーの役割も果たしている。腸内のバランスを保っているのも細菌達だ。
 細菌がいなければ、私たちは生きていけない。
 細菌サマサマ。

 抗菌グッズは、どこにでも普通に存在している細菌が生きられないような加工を施したもの。抗菌加工を施したところに細菌が付着しても、一定時間内に減少あるいは死滅する。

 例えるならそれは、
 ゴビ砂漠。
 サハラ砂漠。
 鳥取砂丘。
 死海。

 そして、細菌を死滅させるために使われているのは、様々な薬品や化学物質。
 硝酸銀とか。

 毒です。

 ぎゃぁぁぁぁぁぁ。

 細菌を取るか、毒を取るか。
 それは、あなたの自由なんですけど。
 

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