寄生虫。
2004/02/24

 
 アレルギーとは、本来体にとって害がない物質に、免疫が過剰反応する病気である。アレルギー疾患を抱える人の数は、年々増え続けており、春先の杉の花粉が飛散する季節には、ほとんどの日本人が目を真っ赤にして、グズクズいっている。

 アレルギー疾患の増加に、寄生虫が関わっているという説がある。
 寄生虫に感染すると、寄生虫に対するアレルゲン特異的IgE抗体や総IgEが増加するためにハウスダストなどにたいする、特異的IgE抗体が産生されても肥満細胞(マストセル)上のIgEレセプターとの結合が阻害されてアレルギー疾患の発症が抑制されるということだ。
 ま、簡単に言うと、サナダムシがお腹にいれば、アレルギーが軽減されるちゅうことやね。

 「腹の虫が鳴く。」「虫の知らせ。」「虫の居所が悪い。」「腹の虫がおさまらない。」など、多くの諺にも使われるように、古くから、寄生虫と人との関係は親密であった。誰の腹の中にもサナダムシやカイチュウが住んでいたのである。古くから人に感染している寄生虫ならば、たいていの場合、大きな害を及ぼすことなく、何の不都合もない。もともとは上手に共存してきたのである。

 本来安全な寄生虫でも時々は悪さをすることもあるし、他の動物専門の寄生虫に間違って感染されてしまうとヒドイことになるし、何より気持ち悪いので、寄生虫はまったくの悪者扱いされている。高度経済成長のおり、公衆衛生の分野にも力が入れられ、寄生虫撲滅作戦が展開され、日本人のお腹からはほぼ100%、寄生虫が駆除された。
 しかし、寄生虫の羅漢率とアレルギーの患者数は見事なまでに反比例しており、この説に、説得力を与えるものとなっている。

 アレルギーも治まるし、なんか一人じゃないって感じで心強いし、それに、健康的に痩せることができるらしいし、良い事ずくめじゃん。オレもサナダムシ欲しぃ。

 寄生虫研究の第一人者である藤田紘一郎センセーに、その旨を尋ねてみた。
 「うーん。それは難しいです。サナダムシに感染するには、サナダムシに感染した第二宿主である、サケやマスからサナダムシの幼生を見つけなければいけないんですが、感染したサケやマスが激減しているんですよ。」

 サナダムシの感染ルートは、サナダムシに感染した人の排泄物の中の卵をミジンコとかが食べ、そのミジンコをサケやマスが食べ、そこからやっと人に感染できる、という訳なのだ。感染した人が激減し、水洗便所が確立された日本では、感染したサケやマスを見つけるのが困難なのだ。
 ちなみに藤田紘一郎センセーは、サナダムシを飼っている。サナダムシを探すためはに、大量にマスを買い込んで解体し、やっとの思いで見つけるとの事だそうだ。

 うーん。残念。
 付ける名前とか考えていたのに。サナダムシのマチコちゃん。

 寄生虫。
 寄生虫が帰省して奇声をあげる。あぁ、つまらないダジャレを思いついてしまってゴメン。

 奇声虫とか、どうっすか。
 奇声を上げる虫。うひゃーっ、とか。うひょひょーん、とか。
 葬式の場だろうと、大事な商談の時だろうと、恋人とイイ感じの時だろうと、所構わず奇声を上げるんすよ。もう、でかい声で。ひゃーっ。
 どう?

 ちょっと楽しそうじゃない?

※寄生虫感染は、現代の医学ではまだ疾病に分類されています。アレルギーとの関係も、完全には解明されていません。あくまで説の範疇ですから、間違っても進んで寄生虫に感染しようなんて思わないでください。藤田センセーはプロですから出来るんです。良い子はマネをしないでね。

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