満月を眺めながら、タバコを一服。
月って、丸くて白くてステキだな。
古代、人々は満月の表面の模様を眺めて、様々なものを連想した。「うさきが餅つきをしている。」日本人にはそう見えたらしい。国や地域によって、連想したものは様々で、女性の横顔に見えたり、蟹に見えたり。
まるで、ロールシャッハテストみたいだ。
ロールシャッハテストとは、複数のインクの染みがある白い紙を被験者に見せ、その染みが何に見えるのかを連想させ、その心理傾向を探ると言う臨床心理の検査の一つである。
月の模様から連想したことを分析すれば、その文化の特徴と潜在心理傾向が分かるかも知れない。
ところで、満月と言えば、オオカミ男だ。
西洋に伝わる妖怪伝説である。満月の夜、男がオオカミに変身し、悪さをするという話だ。夜の闇と言うものが、人々にとってミステリーに満ちていた時代の、闇に対する恐怖心がつくりだした物語なのだろう。
この話、「満月の夜」と言うのがミソである。
皆さんもご存知の通り、月は地球の周りを回る唯一の衛星である。この月の引力が、地球に影響を与えていることも、よく知られている。海の水位が時間によって変化する、潮の満ち引きという現象は、月の引力のなせる業だ。
月の引力は、地球の生物にも様々な影響を与えている。
ウミガメが産卵するのは満月の夜。サンゴが産卵し、サンゴ礁の海中に雪が降るような幻想的な光景が繰り広げられるのも満月の夜。多くの生物のバイオリズムに、月の引力は多大な影響をもたらしている。
我々人間とて、例外ではない。交通事故や、犯罪の発生件数は、満月を前後して増加する。出産件数も同様の傾向が見られる。そしてオレも、満月の夜はちょっぴり燃える。
満月の夜、人間は興奮するのである。
そう考えると、オオカミ男伝説も、まったくの作り話ではなく、実際の事件などがモデルになっている可能性もある。
精神に問題をきたしていた者が、満月の度に気分が高揚して、問題行動を繰り返していたとか。医学も科学も発達していない時代に、このようなことがあれば、人々は恐れおののいたと思うし、話に尾ひれはひれがついて、このような伝説が生まれたのかもしれない。
ちなみにオレは、オオカミを見ると月になる。
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