ネタがない。
寝ても冷めても、
ドライバーのお手本となるべく、超安全運転をしている時も、
上司にガミガミ怒鳴られている時も、
新曲のレコーディングで、ノリノリでスタジオに入っている時でも、
ウルルン滞在記に涙しながらでも、
ずーっと、「てきすとわーるど」のネタを考えている。
新聞を隅から隅まで読み倒し、街行く人を飽きるほど観察しても、とにかく何をしても、ネタを思いつかない。人気に陰りがでてきた芸人や、曲が作れなくなったミュージシャンの気持ちは、こんな感じなのだろう。とにかく、ものすごいプレッシャーだ。
麻薬についつい手を出してしまうのも分かる。しかし、さすがにオレは麻薬は無理だ。
じゃあ、屁でも燃やしてみるか。
何が「じゃあ」なのか分からないが。
ま、気晴らしのつもりで。ホントに燃えるのか興味もあるし。
椅子に座り、ガスの排出口が前に向くように身構える。ライターに火をつけて、排出口に近づける。で、ぷひ。
ボンッ。
爆発した。
マジに爆発した。
あまりにびっくりして、飛び上がってしまった。手に持っていたライターも放り投げてしまった。椅子からずり落ちそうになった。隣に座っていた妻も、突然の出来事に、目を丸くし呆然としている。
すげぇ。すげぇぞ。オレンジ色の炎が上がり、爆発音もした。嘘だと思う人もいるだろうが、これはマジ話です。
次のガスを待って、再度チャレンジ。しかし、今度はビビりが入ってしまい、ライターをベストな位置まで近づけることが出来なかった。不発。
何度かチャレンジし、その何回かは燃焼に成功した。
しかし、結構な火力だ。
化石燃料の枯渇が危惧され、次世代のエネルギー開発に、各分野で血のにじむ努力が続けられている。しかし。こんなに身近に可燃性ガスが存在している。しかも精製をしなくても、そのまま使える。高純度で品質の良い可燃性ガスだ。
大発見だ。これで、子供たちに明るい未来を残すことが出来た。
ひょっとしたら、ノーベル賞とかもらっちゃうかも。
英語のスピーチとか社交ダンスとか、練習しておかなくては。
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